遺言事項と付言事項
遺言事項
民法では、遺言できる事項を以下のように限定しています。
項 目 | 内 容 |
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法定相続 |
1 推定相続人の廃除(民893) |
財産処分 |
1包括遺贈・特定遺贈(民964) |
遺言の執行・撤回 |
1 遺言執行者の指定(民1006-1) |
遺留分 | 目的物の価額による遺贈の減殺に関する別段の定め(民1034ただし書) |
家族関係 |
1 遺言認知(民781-2、戸64) |
法律には定めはないが遺言でできると解約されている事項 |
1 祭祀主宰者の指定(民897) |
民法以外の法律で遺言事項が定められているもの |
1 一般財団法人設立(一般社団・財団152-2) |
付言事項
付言事項は、法定遺言事項以外の内容を記載します。付言事項を書く上で、もっとも大切なのは感謝の気持ちを伝えることです。また、遺言内容に関する経緯を書くことも大切です。相続では少なからず不公平がでることがあります。その遺言内容に不満を持つ者が現れると、それが原因で大きな相続トラブルへと発展することもあります。こうしたトラブルの発生を防ぐために、なぜそのような遺言の内容に至ったのか、その経緯を書いておくことも重要です。必ずやお気持ちが伝わり円満な相続が実現できるものと思われます。
また、付言事項には、感謝の気持ちや遺言したい経緯のほかに、人生を振り返りどんな人生だったのかなどを書いても良いでしょう。また、自分の葬儀や納骨、献体や臓器提供、さらには遺品処分のあり方など遺言者の死後の処理に関わる内容を記することも、遺された方が困らないように方向性を示しておくことも非常に有意義のことです。
付言事項は法的効力がないため軽視されがちですが、円満な相続を実行される上で非常に重要な事項と考えます。