エンディングノート

エンディングノート

遺言書を書くことにためらいがある方は、まずはエンディングノートを書かれてはいかがでしょうか。
 誰でもが命の危険に遭遇したり、思いがけない不幸に見舞われることがあります。このような「もしも」のことが起きたときにご自分はどのようにして欲しいと思われていますでしょうか。また、家族や親族の人はどんなことを伝えておいて欲しいと思うでしょうか。
 エンディングノートは法的には何の効力を持たないものですが、エンディングノートに介護、延命治療、葬儀、埋葬方法、財産などの項目を書き残すことで、意志を伝えることが難しくなる終末期や、伝えることができなくなる死後に、家族や親族の負担を減らすことができます。
 また、家族や大切な人への思いや、自分が生きてきた歴史を伝えることもできるでしょう。残される家族のためだけではなく、今までの人生を振り返ることで、自身が今後の人生について考えるきっかけにもなります。

エンディングノートの方式

 エンディングノートには決められた形式などはありません。いろいろなエンディングノート(名前もいろいろある)が市販されていますので、それらを利用すればよいかと思います。市販されているものには数千円のものから数百円のものまでいろいろありますが、そんなに高価なものは必要ありません。「もしも」の時に遺される遺族のことを思って必要なことを記すことができればよいのです。 また、ご家族や近しい人には、自分に何かあったら「このノート」を見るように伝えておく必要があるといえるでしょう。
 NPO法人 ライフ・アンド・エンディングセンター(LEC)が出している「もしもノート」をお勧めします。460円(税別)と安価で、必要なことだけ無駄がなくまとめられており、記載方法も難しくなく気軽に利用できるように工夫されています。

 

  ⇒ NPO法人 ライフ・アンド・エンディングセンター(LEC)

 

エンディングノート記載項目

 市販のエンディングノートの記載項目には、名前や血液型、病歴など、介護が必要になった場合について、ペットについて、保険などについて、葬儀について、財産について、お墓などについて、知人リスト、加入しているサービスについて、形見分けについて、遺影について、遺言書について、自分史など、大切な人へのメッセージなどがありますが、すべて書く必要はありません、必要な項目だけ記載すればよいと思います。また、いっぺんに記載するのは大変です、少しづつ空いた時間を利用して作成されたらよいでしょう。

名前や血液型、病歴など

 名前や血液型、生年月日や病歴、かかりつけの病院など、今どんな状態にあるのかを 詳しく書いておくと、突然、倒れてしまった場合などに非常に役に立ちます。

介護が必要になった場合について

 介護が必要になった場合の介護の方法(自宅での介護を望むのか、施設での介護を望むのかなど)、もしもの場合に延命処置を望むのかどうか、認知症になった場合どうした方がいいのかなど、何を望むのかをきちんと記してあれば、家族は悩むことなくスムーズにことを運ぶことができるのではないでしょうか

ペットについて

 ペットを飼っていらしゃる場合、ペットも大切な家族でしょう。遺されたペットについても心残りがないように、誰に任せたいのか、また、かかりつけの獣医さんなども記載しておきましょう。

保険などについて

 生命保険は相続の対象にはなりませんが、保険の受取人は生命保険会社に連絡しなければなり ません。どんな保険に入っているのかをきちんと記載し、必要な書類がどこにあるのかを書き残 しておき手続きがスムーズにできるようにしておきましょう。

葬儀について

 どんな葬儀を望むのか提示しておくことで、ご遺族の負担も軽くなります。また、葬儀の費用を残してある場合はそのことも明記しておきましょう。

財産について

 どんな財産を保有しているのかを明記しておくことは、遺産相続の手続きの上で重要なことです。預金や株式、不動産や金融資産などのプラスの財産だけでなく、ローンや借入金など、マイナスの資産も記載 しておきましょう。

お墓などについて

 菩提寺やお墓について記載しておきます。また、火葬後に、分骨や散骨など特別ば方法を希望される場合は、お骨をどうされたいのかを明記しておきましょう。

知人リスト

 もしもの時に知らせて欲しい人を書き残しておくことも重要です。このようなリストがあれば、知らせる方を調査したりする負担も軽くなります。

加入しているサービスについて

 何かお金が発生しているサービスに加入している場合も、そのことをきちんと書き残しておき ましょう。場合によっては解約や名義変更などの手続きが必要になってきます。連絡しなかったことにより、継続して費用が発生してしまう場合があります。

形見分けについて

 思い出が詰まった品を形見分けとして分ける場合、形見分けする品をリストアップして、それぞれの品の思い出に合わせて、誰に上げたいかをおくことで形見分けがスムーズに進むでことでしょう。また、その品の思い出も併せて記載しておくことで形見分けされた品を大事にしてくれることでしょう。

遺影について

 最近は葬儀社などが合成して綺麗な遺影を作成してくれますが、ご自分の気に入った写真がある場合はこの写真を遺影として使って欲しいと残しておくのもいいと思います

遺言書について

 遺言書があるのかないのか。どういう形式で保存されているのか。もし、弁護士、司法書士や行政書士に作成をお願いしている場合は、その連絡先などを掲載しておきましょう。

自分史など

 これまでの人生を振り返りながら自分史を書いてみましょう。この世に生を受けてから現在までのことを書きます。人の一生には、入学、卒業、就職、結婚、出産などいろいろな出来事があったことでよう。人生は良いことばかりではありません、山あり谷ありです、その都度、喜びや悲しみ、ときには怒りもあったはずです。そのようなライフステージを振り返ることで、今後何をするべきかが見えてくるのではないでしょか。

大切な人へのメッセージ

 大切な人へのメッセージは遺族に向けたメッセージです。普段は伝えにくいような感謝の気持ちや懐かしい思い出など、家族に残しておきたいメッセージを書いておきましょう。また、思い出の深い写真や皆の記憶にとどめておいて欲しい写真などを一緒に貼っておくと、より鮮明に思い出がよみがえるのではないでしょうか。

 

 前述したようにエンディングノートには法的効力はありません。しかし、遺された遺族が困らいように準備することもとても重要なことです。エンディングノートをきちんと書かれていると、遺族の方の負担を軽くすることができます。また、エンディングノートは「死のためのノート」ではなく、「よりよく死を迎えるためのノート」です。死んだあとにどうするか、という情報だけではなく、自分らしい終焉を迎えるために今後何をすべきかがみえてくるはずです。残された人生を自分らしく生きるために、エンディングノートを活用されてはいかがでしょうか。

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